キモノコミュニケーター あまやゆか さんインタビュー

あまやゆか

20110/02/01

アナウンサー/キモノコミュニケーター あまや ゆか

【プロフィール】
1976年8月10日。福井県生まれ。AB型。
慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、福井放送(株)入社。
アナウンサーとして数々のテレビ・ラジオ番組に出演。
番組の企画・構成・演出も手がける。
2004年よりフリーアナウンサーとして活動開始。
2007年からは、日々の着物暮らしをきっかけに「キモノコミュニケーター」として活動。
“キモノ”を、ひとつの“コミュニケーションツール”として「衣食住」の「衣」から暮らしを見つめ直し、ヒトとモノゴトをつなぐ、様々なきっかけづくりや提案をしている。
2009年、「合同会社るるん」設立。アナウンサーの枠にとらわれず、独自の活動を行っている。

URL http://www.amayuka.net/

事業概要を教えてください

「キモノコミュニケーター」というのは一応、私が商標を取得している名称なのですが、それは業務内容や事業概要というよりは、私にとっては、ひとつの【ツール】のようなものです。

現在も私はアナウンサーのお仕事をしているのですが、そのアナウンサーの仕事をベースに、"着物"をコミュニケーションのひとつの手段として、様々なひとやモノゴトを繋いでいきたいと思っているんです。

私の「キモノコミュニケーター」という肩書きは、たとえば、着付士や着物コンサルタントというような、何かしっかりした資格だとか、着物を専門に商売をするという感じではありません。
暮らしに溶け込むようなナチュラルな着物のあり方を提案したり、様々な視点から着るものそのものの在り方を見つめ直したり、ひととモノゴトの橋渡しをしたりする役割だと思っていただけたら。
なので、業務内容というほどのものではないんですよね。

女性はもちろん、意外と男性でも「一枚くらい着物を持ちたいな」という方が多いです。ただ、いざ着ようとなると「どうしたらいいか分からない」「着こなし方も分からなくて着られない」というように、とても遠い存在になってしまっているのが現状だと思います。

着物はすべてが"晴れ着"ではありません。格式高い着方ももちろんありますが、それだけではなく、もっと日常のカジュアルなシーンで着る着物もあるんです。

もっと、気負わずに誰でも着物を着て出かけられるようになったらいいなと思っています。たとえば、着物の下着(襦袢)の襟元に"半襟"という生地を付けるのですが、晴れ着などに合わせるときは半襟にもそれなりの格のものが必要で、高価だったりします。けれど、私が普段着の着物に使っている半襟は、手芸店で生地を数十センチ買ってきて手作りしたものです。数百円の生地で十分。襟元の差し色だけで一枚の着物を色々なコーディネートで楽しめます。着物は難しい、高価だ・・・というイメージがあるかもしれませんが、普段着のカジュアルな着物は、いくらでも自分で工夫をして楽しめる、とっても面白い衣装なんです!

キモノコミュニケーターを始めたきっかけを教えてください

最初は、普段に着物を着ている方を見かけて、自分も着たいなあと憧れて。まずは自分が普段に着物を着たのがきっかけです。
先に申しましたが、本業はアナウンサーなので、取材グセがありまして(笑)。

着物を着始めてすぐに、全国の着物の産地や織元さんを自分で訪ねて知りたい!と、個人的に取材に出かけました。自分の足で各地を取材し、着物にまつわる様々な文化やそれを守る人達と出会い、今の着物業界のあり方や、着るものと暮らしの関わりなど、色々なことを感じ、知る機会になりました。
そうして自分で感じたものや考えたことを伝えるための手段として「キモノコミュニケーター」という活動を始めました。

「キモノコミュニーター」というネーミングそのものについては…既存の着物関係の肩書きはどれもピンと来なくて。"私にとっての着物の位置づけ"を考えたときに、着物を通してたくさんのモノゴトを繋ぎたい!という思いを込めて、名付けました。

キモノコミュニケーターを始めてうれしかった事は

着物に関心を持ってくれる方と接する機会が増えたこと。そして、自分自身でも着物の魅力をお伝えできる機会が多くなったことでしょうか。

私を通して着物に少しでも関心を持ってくださったり、自分でも着られるかも!って、着物を身近なものに感じてもらえるきっかけになれているのが、嬉しいなと思います。

キモノコミュニケーターを始めて一番大変だった事は

正直、「一番大変だった」というほどの苦労はしてないかも(笑)
毎日楽しみながらやっています。

あまやさんのようにキラキラ輝く為にはどうしたらよいでしょうか?

キラキラ輝いているつもりはありませんが(笑)…常に笑顔でいることだと思います。

もちろん、誰にもつらいことや気分が沈みがちなときもありますが、けれどそんな時にでも、作り笑いでも良いから笑っていることですね。とりあえず笑顔にしてみる!というだけでも、案外効果があるもので…前向きな気持ちに、自分を引き上げられると思います。

あまやさんの夢を教えてください

「キモノコミュニケーター」としては、まずはやはり、もっともっと多くの人に気軽に自由に着物を楽しんでもらいたいなと思います。

"晴れ着"と"浴衣"の間に位置する着物というのが、いまはあまり一般的ではありません。いまの日本人が、以前のように普段の生活全てを着物にするのは無理だと思うんです。
現実味がないというか。

でも、自分のワードローブにいくつか着物があって、洋服を選ぶのと同じ感覚で時には着物を羽織ってみる。そんな風に、それぞれのライフスタイルに着物を上手く取り入れられる人が沢山いたら、きっと楽しいですよね。

それともうひとつは、"着るモノ"から世の中を変える活動ができたらいいなと思っています。「エコロジー」が定着して久しいですが、衣食住の"衣"の部分でのエコというのは、まだまだ認知度が低いと感じています。
いま日本では、一人当たり年間約10kgの衣類を購入してそのうちの9kgを捨てているそうです。ロープライスの服が店頭で大量に売られていたり、次々と流行のファッションが入れ変わったり。その楽しみももちろん分かりますが、そのうちの90%が捨てられるものです。そのことを知らない人が多い。すぐに変えられない市場かもしれないけれど、まずはみんなが「知ること」。そこから変化は始まります。

私はいまオーガニックコットンの着物の販売もしていますが、これは、着物を売りたい!ということ以上に、「私の着物が、衣と暮らしを見つめ直すきっかけになったら」という思いが強いです。まさに、キモノでコミュニケートする=キモノコミュニケーターの目指すところです。

とはいえ、やはりファションですし、何事も楽しみながらでないと続かないと思うので、私の着物スタイルはあくまでカジュアルに、Tシャツとジーパンくらいの感覚で、と提案しています。着物を通して、"ほんとうに大切なこと"を伝えていけるようになりたいです。

世の中の女性に向けてメッセージをお願いします。

私はとってもマイペースな性格なので…すごく我が道を行くタイプなんです(笑)。
なので、みなさんの参考になるかわかりませんが…

けれど、あまり人と自分を比べずに、自分はどうなのか、何ができるのかと常に問いながら真っ直ぐ進めば、きっと何か素敵なものに辿り着くような気がします。
ほどよくがんばる。がんばるけれど、がんばり過ぎない。矛盾するようですが、たとえば、笑顔にもなれないほど心に余裕がなくなってしまっているのは、その人にとってがんばり過ぎなのかもしれません。そういう時はなかなか良い結果も生まれないと思います。それぞれ自分なりのペースを見つけて、自分なりにやれるだけ、ほどよくがんばる。そんな気持ちで進んでいけたら良いのかなと思います。

あまやさんオススメのWebSite


↑ページトップへ